はしがき

生活をいろどる色彩が、心身を清浄に保つのに役立つと、科学的に検証するのは簡単ではないかもしれないけれど、生活を美しく和やかなものにしたいとは、誰もが願うことでしょう。
ここに天然染料の染色による草木染について、本当の草木染の持つ色あいや性質、日本の昔のままの本染(草木染)に関する内容を記述することで、それらが令和の時代にどのように機能する可能性があるのかを探求します。
尚、学術的な内容については、主に上村六郎(1894-1991)翁の研究資料に基づき、それを読み解くなかで、感じたことや心に残ったことを、自分の感覚と言葉で表現します。
これにあたり、体験したすべての出来事、辿り着いた先進諸学者の学思に対して心からの感謝の意を表します。
令和七年春

